2008年 12月 18日
十河信二記念館にて 有法子(ユーファーズ) 中国語で”成せば成る” ”まだ 方法がある、もっと努力しよう”という意味 以下 葛西敬之著 『未完の国鉄改革』より 引用 昭和38年4月 十河信二 国鉄総裁の入社式訓辞 「昭和38年4月、その年の一月に完成したばかりの本社ビルではじめて行われた入社式に私(葛西敬之氏)は出席した。 式では、当時の十河信二国鉄総裁から一人一人に辞令が渡され、訓辞があった。(中略) ----以下 訓辞の抜粋----- 一点目 「線路を枕に討ち死に」 「今日、自分は国鉄総裁として「線路を枕に討ち死に」をする同志を迎えるつもりで一人一人に辞令を渡した。」 二点目 「有法子」 「ついては入社に際してあなた方に一言、座右の銘を送りたいと思う。 自分の座右の銘を言うから、それを拳々服膺(けんけんふくよう)しなさい。それはユーファーズ(有法子)という言葉である。」 と言った。 自分は戦前から戦中にかけて満州(中国東北部)に行っていたが、そのころに蒋介石やそのスタッフ達と親交があり、その人達から次のようなことを聞いた。 『中国人は列強に後れをとっている。後れをとっている理由は、少しばかり困難に遭遇すると、すぐメーファーズ(没法子)と言ってあきらめてしまう気風にある。メーファーズとはどうしようもない、仕方がないということを意味するのだが、これが良くない。 中国人が どんな場合でもユーファーズ、必ず なんらかの 打開策があるという気持ちを持つようになれば、中国は立派な国になる。』 自分はその言葉に大変感銘を受け、とてもよい言葉だと思うので、自分の座右の銘にしている。」 -------(中略)--------- 昭和30年に十河総裁が就任してから昭和38年までの間、国鉄はずっと黒字が続いていたので、「線路を枕に討ち死に」という言葉は、当時としてはいささか意外な言葉だった。 ----(中略)--- しかし、その後の実際に国鉄がどのようになっていたかを振り返ると、 --(中略)---昭和46年には 償却前の赤字、----運営費を借入金で賄わなければならないという、事実上の倒産状態に転落した。ここで国鉄の経営は破綻したといってよいと思う。 ----(中略)-- その後昭和62年の分割民営化により新しい体制に移行するまでの間、一貫して赤字が続き、しかも債務は拡大の一途をたどることになり、十河総裁の訓辞はそのとおり現実のものとなった。 彼は国鉄経営が抱える問題の本質を正確に見通していたというのが、今になってみるとよく分かる。 私たちは文字どおり「線路を枕に討ち死に」をしたわけで、そのなかで「ユーファーズ」を身をもって実践させられた。 誠に意味深い訓辞であったと思う。」 『未完の国鉄改革』 葛西敬之著 東洋経済新報社 2001年 ISBN:4-492-06122-3 C3021 葛西敬之 氏は 現在 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)代表取締役会長 十河信二記念館 四国鉄道文化館 〒793-0030 愛媛県西条市大町798-1 電話 0897-47-3575 JR伊予西条駅 隣接 よもやま話> 有法子(ユーファーズ)
by shumiyama
| 2008-12-18 21:01
| 鉄道
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